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健康な体を作る運動

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ウォーターセラピーのコラム第二回目は、水中運動(水泳)が筋肉に与える影響についてです。

屈伸筋と抗重力筋

筋肉にはいろいろな働きがありますが、運動との関係で言えば、大きく、「カラダを動かすために関節を屈伸させる働き」と「カラダが勝手に動かないようにブレーキをかける働き」の2つに分けられます。筋肉が前者の働きをする時に、その筋肉を「屈筋/伸筋」といい、後者の働きをする時は「抗重力筋」と呼ばれます。

例えばヒザを持ち上げようとすると股関節が曲がりますが、その時、大腿直筋や大腿筋膜張筋、縫工筋などの筋肉群に力を入れることになります。これらの筋肉は「股関節の屈筋」と呼ばれ、逆に股関節を伸展させる時に働くハムストリングスと呼ばれる筋肉群などは「股関節の伸筋」と呼ばれることになるのです。

また、立っている状態を維持しようとする場合、太ももの前の筋肉や後ろの筋肉に力を入れます。力を入れないと、ヒジやヒザが自然と折れて立てなくなってしまいますよね。この時、それらの筋肉は「抗重力筋」として働くことになります。ちなみに、ここで言う「太ももの後ろの筋肉」というのは、さきほどのハムストリングスと呼ばれる筋肉群であり、つまり、同じ筋肉でも働き方によって「屈筋」あるいは「伸筋」と呼ばれることも「抗重力筋」と呼ばれることもある、ということになるわけです。

泳ぐ時に使われる筋肉

前回と同じ動画ですが、スイミング(犬かき)では、犬はヒジ(肘関節)や手根関節、ヒザ(膝関節)や足根関節を曲げたり伸ばしたりして前進していますよね。曲げる時は屈筋、伸ばす時は伸筋を使います。水の中では水の「粘性による抵抗」がありますので、関節を曲げる時であれ伸ばす時であれ、筋肉に力を入れなければなりません。つまり、泳ぐ時は、必然的に、使う筋肉の屈筋力あるいは伸筋力が鍛えられることになるわけです

一方、水の中では、水が持つ特性「比重から生じる浮力」により、重力がかなり軽減されます。それが、「水泳では抗重力筋は鍛えられない」、言い換えると、水泳は、筋肉に力を入れて関節を曲げ伸ばしさせる運動「アイソトニック運動=等張性収縮運動」にはなるけれども、筋肉に力を入れたまま関節を曲げ伸ばしさせない運動「アイソメトリック運動=等尺性収縮運動」にはならない、という説明につながるわけです。

水の特性が与える運動効果

先ほど触れました水の「粘性」や「浮力」は、水中運動に地上運動とは異なる効果を与える特性ですが、それ以外にも水は「表面張力」や「水圧」という特性も持っています。これらの水の特性のおかげで、水中運動は、地上運動では得られない様々な効果を筋肉に与えてくれることになります。

ついでに、これは運動の効果とは言いにくいのですが、先ほど述べた重力が軽減されることの利点として、水の中では浮力により関節への負荷が小さくなりますので、変形性関節症などによる炎症の疼痛を緩和してくれるということや、重力から解放されることでリラックス効果を得られるといった効果も期待できます。これらは、主に、高齢犬にとって精神的にも嬉しい効果となりますよね。ヒトの温泉のようなものです。

尚、水中運動が与える神経機能や心肺機能への影響については、今後、順次お話してまいります。

〜ウォーターセラピー、まだまだ続きます。〜

プロフ

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