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健康な体を作る運動

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筋力の衰えは後ろ肢から

「一生元気でいて欲しい。寝たきりにならないで!」

愛犬と暮らす人であれば、誰でも願うことですよね。

犬の加齢やケガに伴う運動機能の衰えは、後ろ肢から現れることが多いのですが、それは、普段の生活で6〜7割が前肢にかかっている体重が、後ろ肢には3〜4割しかかかっていないからなのでしょう。つまり、筋肉を鍛えるのに必要な負荷が前肢に比べて日常的に少ない後ろ肢は、加齢やケガで、散歩量が減ったり、ゆっくりトボトボと歩くようになったりすると、真っ先に衰えてしまうことになるわけです。中でも特に衰えが早いのは、太もも前部の内側の筋肉「内側広筋」と言われています。

内側広筋を鍛える運動

内側広筋は太もも前部にある大腿四頭筋の一部で、主に膝の伸展に関与していますが、膝関節の安定性と保護にも関与する重要な筋肉です。この筋肉、動かさないと最も早く萎縮し、回復しにくい筋肉なんです。

内側広筋の衰えは、犬が膝を開いた状態でオスワリをするようになることである程度の見当がつきます。そうなった時に筋肉の衰えを回復させる基本は、やはり負荷を利用する筋力トレーニングですね。いくつになっても筋肉は鍛えられます。内側広筋を鍛えるには、「オスワリ」と「タッテ」を繰り返すSit-to-stand運動が良いでしょう。人で言うところの「スクワット」です。膝とつま先が同じ方向を向いた状態から少しだけ外側にひねった状態でやらせると、より効果的です。座るときはゆっくり、立つときは素早くやらせてみてください。座る時にゆっくりやらせるのは、内側広筋の収縮力をブレーキとして使いたいからです。

自発的なスクワットで犬のスピードをコントロールは難しいので、ヒトが補助する運動でもできます。ただし、下の動画にあるような後ろ肢だけでスクワットをやらせるのは、膝関節への負荷もかなり大きいので、慣れていない犬には避けた方が無難です。

バランスディスクに後ろ肢を乗せて、オスワリ 、タッテを繰り返す運動は、内側広筋を膝関節(膝蓋骨)の安定にも使いますので、さらに効果的だと思います。

関節の可動域を広くしよう!

後ろ肢の衰え防止でもう一つ考えるべきことは、関節、特に股関節の可動域を広く保つことです。加齢とともに関節の動きも円滑さを失ってしまいます。骨そのものの変形が生じる場合もありますが、靭帯や軟骨の劣化による場合も多いんですね。ただ平坦な道をまっすぐ歩くだけの散歩では、なかなか股関節の可動域は広くなりませんので、股関節の可動域維持のためには階段の上り下りを入れるのもよいです。さらに、ストレッチングやダンス運動などでヒトの手で伸ばしてやることも効果的です。

ストレッチング立位で後ろ肢のストレッチをやる時は、膝をしっかり支えて伸展させ、後ろ肢を股関節からゆっくり後ろに伸ばします。15秒伸ばしたら、ゆっくり降ろしましょう。

股関節 犬が前肢を持ち上げて、後ろ肢で立った姿勢をとると、股関節は伸展した状態になります。

人が犬の前肢を持ち上げて歩かせるダンス運動は、股関節が伸展した状態での運動になりますので、股関節の靭帯や関節にはそれなりに刺激を与えることができます。

ただ前肢をつかまれるのを嫌がる犬もいますので、その時は、ヒトの手でなく大きめのピーナツ型バランスボールを利用して、樽転がし(Barrel role)をやらせてみましょう。

注)バランスボールは危険が伴いますので、使用する前に専門家の指示を仰いでください。

意識性の原則

運動の5つの原則に「意識性の原則」というものがあります。効果的に鍛えるためには、今、どこを鍛えているのかを意識しながらやりましょう、という原則です。犬に運動の効果を意識させるのは難しいのですが、後ろ肢を意識しながら運動させることはできます。

上の動画にあるように、犬にバックさせながらマットの上に後ろ肢を載せる運動をやらせます。何度か繰り返すと、犬は後ろに置いてあるマットに後ろ肢を載せることを意識します。その他、後ろ肢にゴムをつけたり、ウェイトカフを巻いたりして、運動させることも、後ろ肢に意識をさせるという点では効果があるかもしれません。

高齢期が近づいた犬と散歩する時などは、後ろ肢の筋力が落ちないようにすることも頭に入れてあげて欲しいと思います。

プロフ

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