ウィジードッグクラブ

犬のしつけと訓練

line

イヌは他のイヌやヒトとコミュニケーションをとる際、目線、耳の向き、尻尾の高さや振り方や振り幅、その速度など、さまざまなボディランゲージを使って意思を伝えようとします。同時に、相手のボディランゲージも神経を集中させて読みます。その観察力は、自分に都合のいい情報だけを適当に選別しようとする私たち人間よりも、はるかに長けているのではないかと思います。

ところで、当社が主宰するしつけ教室では、飼い主が緊張したり、焦っていたりすると、いくら褒めてもイヌは引いた顔……まったく嬉しそうな表情を見せない……そんな場面がよく見られるのです。それどころか、「早くおやつをよこせ!」と要求する子すらいます。これは、飼い主の緊張や焦っているその気持ちをイヌに見抜かれているってことですね。その観察力に驚かされることが多々あります。

今回は、イヌとの良好な関係を作るためには、ヒトも落ち着いていなければならない、ということを書きたいと思います。

著名トレーナーの動画

イヌはヒトの態度を観ていると書きましたが、問題を抱えているイヌは、特にヒトの態度を観察していると思います。

この攻撃的な秋田犬をトレーニングしているのは、フランスで活動している著名なドッグトレーナー、エルベ氏です。このイヌは高い攻撃性を治すべく彼の元に連れて来られました。

この動画の0:40あたりをご覧下さい。イヌが暴れて彼を攻撃をしているシーンがあります。その後も吠えていますが、彼は何も言わずにイヌをじっと見つめ「一切、引かない」という態度で接しています。そしてその後、イヌは吠えるのをやめ、彼は、イヌとのスキンシップをとっています。

イヌの目線、耳、尻尾、時々後ろに下がって距離をとろうとする行為を見るかぎり、おそらく、この攻撃は不安にもとづいているのでしょう。不安なイヌは、自分の身を守る為、相手に引き下がって欲しいという理由で攻撃をします。

一方、エルベ氏は冷静に「一歩も引かない」という毅然とした態度で対応します。この毅然とした態度というのは、イヌを「負かしてやろう!」という気持ちではなく、「君が抱えている恐怖や不安を、私が受け止めるよ」という寛大な気持ちから出ていると思うのです。そして、その気持ちがイヌにも伝わっているのだと思うのです。

ヒトの態度でイヌも変わる

次の動画をご覧下さい。

男女2人が交代で秋田犬のトレーニングをしていますが、イヌの態度が異なるのがおわかりになりますでしょうか?

男性がハンドリングしている時、イヌは男性を見ています。手を怖がる瞬間もありますが、特に攻撃は加えていません。不安を抱えているのであれば、目が合うとそらしたりしますが、ちゃんと見ています。でも、女性がハンドリングしている時は、イヌは女性と目を合わそうとしません。どこか落ち着きがないというか、他のものに関心が向かっているようにしか見えないのです。

この男性と女性では、このイヌへの馴れの違いもあるかもしれませんし、おやつの使い方の違いもあるのかもしれません。でも、断言はできませんが、私はハンドラーの態度の違いが大きくイヌの態度に影響しているのではないかとみています。イヌに対して恐れを抱いているかどうかの違いです。その恐れが、イヌのハンドリングそのものへの慣れによるものなのか、イヌ自体への馴れによるものなのかもわかりませんが、女性の方が少しおどおどしているように見えるのです。イヌはヒトの気持ちを感じ取ることが上手で、この2人の微妙な態度の違いが、イヌの態度にも影響しているのだと思います。

イヌは飼い主の態度を常に観ている!

イヌの問題行動が、飼い主の態度に大きく影響しているケースは、ことのほか多いと思います。落ち着かないイヌの場合は飼い主が落ち着いておらず、怖がりのイヌの場合は飼い主がおどおどしている……そう感じるケースが多いのです。

イヌが問題を起こす時、飼い主の態度はどうなのか? まずはそこを把握することが大切なのではないかと思います。

プロフ

犬のしつけと訓練

ウィジードッグクラブ