ウィジードッグクラブ

犬のしつけと訓練

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犬の訓練やしつけの現場では、「コントロール」という言葉が良く出てきます。私自身も、しつけ教室でこの言葉を一般の飼い主に伝えることが日常となっています。

もちろん、犬はロボットではありません。リモコンのボタンを押せば座って大人しくなるということはありませんので、この「コントロール」という言葉に違和感を持つ方もいるかもしれませんね。

今回は、「犬をコントロールする」というキーワードで諸々思うことを書き綴りたいと思います。

行動をコントロールする

犬は、偶然あるいは人による条件付け作業で様々な出来事や事柄を経験し、様々なことを学習していきます。それは人だって同じです。「自分が行きたいと思った方向に、行けた」「吠えたいと思ったら吠えることが出来た」……そういった自分の思い通りになった、という成功体験は、飼い主による愛犬の「コントロールの喪失」を助長させていくことでしょう。それらも学習の結果です。

実は、私たちが開いているしつけ教室で、犬をすぐにノーリードにし、常に自由にさせようとする飼い主が多くいます。犬がただ喜ぶだけならいいのですが、こんな些細な行為にも「コントロールの喪失」というリスクが潜んでいます。つまり、この飼い主の行為が、外を歩く人や犬に吠えたり、様々な場所にマーキングをしたりしてしまうことにつながるリスクを大いにはらんでいるのです。

犬を四六時中リードでつないでいてください、と申し上げているわけではありません。飼い主の管理が出来ない距離まで離れてしまう際には、そこがたとえドッグランのような自由に走り回ることが許された場所であったとしても、絶対に目を離さず、勝手な行動が発生しないように行動の制御をすることが非常に重要です。そして、飼い主が望んでいない行動が発生してしまうような場合はすぐに止められるようにしておかなければなりません。もし、犬が自由奔放に動き、飼い主様が望んでいない行動を起こす可能性があるのであれば、どんな場所でも、常にリードを付けた状態で、勝手な動きは制御し、足元で管理をしていくしかないのです。

また、犬の自らの意思に基づく行動は、そのほとんどが感情に左右されます。飼い主にとって、愛犬の感情に敏感であることあるいは愛犬がその感情に基づいてどういった行動をとる可能性があるのかを日ごろから把握しておくこと、それが大切です。

まずは環境を整える

ところで、皆さんはご自身の愛犬をお座りさせることが出来ますか?

おそらく、ほとんどの飼い主はニコニコしてうなづくでしょう。さほど難しい課題ではありませんよね……。しかし、ご自身の愛犬をいつ、どんな時でも、どんな誘惑があっても、お座りさせることが出来ますか? と尋ねると、ほとんどの飼い主は顔を曇らせてだまりこんでしまうんですね。

どんな環境でも飼い主の言葉に耳を傾けて、その指示通りに動いてくれれば愛犬との生活はものすごく楽で充実したものになるでしょう。しかし、それは容易な事ではありません。愛犬を指示通りに動かすためには、まずは自分の言葉に愛犬の耳を傾けさせて、指示に従うことのできる環境を作ってやり、次第にその環境を変化させていく、という手順をとります。どんな環境でも指示に従うようになって欲しいから、と最初から誘惑の多い環境であるいは愛犬の心が乱れる環境で学習させようとしてもうまくは行かないんです。

飼い主が変わる

もうお分かりかと思います。そんな良好な学習環境を犬が作ることはできません。環境を作るあるいは環境を見定めることができるのは飼い主なのです。つまり、この感情把握や環境整備にとどまらず、最終的には犬の行動や感情をコントロール(管制)できる力を飼い主が身につけることが最も重要だと思うのです。

今、目の前にいる愛犬は自分の言葉を聞く体勢になっているのか? 伝えるためにはどんな声の大きさ、トーン、身振り手振りで伝えたら良いのか?……それらを判断できること、そのすべてが、犬を「コントロール」できるようになるための基本的な前提条件だと思います。

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