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犬のしつけと訓練

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皆さんは「クリッカー」という犬の訓練に使うアイテムをご存知ですか?

目にしたことのある方も実際に使っている方も多いのではないかと思います。そのクリッカーを使う「クリッカートレーニング」は、元々水中動物を訓練する際のトレーニング方法だったのですが、次第にドッグトレーニングにも取り入れられるようになりました。

一定の成果を上げているようですが、なぜわざわざクリッカーという音の出る器具を使うのでしょう? 人の「声」とクリッカーの「音」では何が違うのでしょうか?

音の捉え方

人と比べて犬の聴覚が優れている事は周知の事実ですよね。一般的には人間の4倍以上の能力を持つともいわれる犬の聴覚。周波数にすると、人間が一番高い音で20,000Hzとされているのに対して、犬は50,000Hzまで聞き取る事ができるそうです。さらに、人間の日常会話の高音域は4,000Hzとされていますが、犬が聞きやすいとされているのは8,000Hzなのだそうです。つまり、犬にとっては高い音の方が聞き取りやすいという事なのです。

音への反応

犬の問題行動の中に「ピンポン吠え」や「外の物音への吠え」という「音」に反応するものがあります。「音響シャイ」という言葉がありますが、犬の「音」に対する反応は、ただ後天的に強化された反応ではなく、生来的な反応である可能性が高いと思います。大きな音でハッとさせるしつけ法もありますし、犬への音楽の効果も研究が進んでいます。犬にとって、「音」は人間が理解できないほど重要な生活環境ファクターなんですね。犬が、「音」に対して人と異なる反応を示すのは自然なことであって、それを「問題行動」と言われるのは、おそらく心外なのでしょう。

犬の反応しやすい音と規則性

ここで簡単にクリッカートレーニングの説明をします。

「クリッカー」と呼ばれる高い音の出る道具を使った事のある方はおわかりかと思いますが、日常生活では聞かない高音がする為、多くの犬が敏感に反応します。トレーニングをする前に、「カチッ(クリッカー音)」→「オヤツをあげる」という「チャージング」とよばれる作業をを短時間に繰り返すと「クリッカーが鳴る」→「オヤツが貰える(強化子)」と学習していくのですが、犬が聞きやすいこの「高音」と必ずおやつで喜ばせる「規則性」の2点がクリッカートレーニングのポイントになっています。

人の声には反応しない!?

ところで、しつけ教室のお客様から「ウチの子はドッグランで名前を呼んでも近寄って来ないんです」という相談を受けるケースが比較的多くあります。いわゆる「呼び戻しがきかない」というお悩みです。様々な「音」に反応する犬という動物が、なぜか飼い主の「声」に反応しないというわけです。なぜ、人の声に、しかも毎日呼ばれている名前に反応しないのでしょうか?

その原因は様々考えられますが、おそらく「不規則」がネックになっているのだろうと思うのです。

名前を呼んでも戻って来ない犬が別の言葉には反応する、ということはよくある話です。例えば「ごはん食べる?」「お散歩行こうか?」と言うと顔を向けたり戻ってきたり……。その理由は「ごはん」や「お散歩」という言葉の後には「うれしい事(強化子)」が必ずある事を犬が学習した結果なのでしょう。つまり、規則性が保たれた結果というわけです。

でも、おそらくその子は「名前」を呼ばれても必ずうれしい事があったわけではないのでしょうね。 もしかすると、飼い主さんは、褒める前も叱る前もその子の名前を呼んでいたのかもしれません。そうだとすると、もはや「音」うんぬんの話ではなくて、飼い主の態度の問題になりますね。ドッグランで名前を呼んでも飼い主のもとへ戻って来ないのは、飼い主の「不規則な対応」のせい……ということになります。もちろん、すべてのケースがそうである、とは申しませんが……。

人と犬がコミュニケーションをとる時に、ほとんどは「声」を使うと思います。クリッカーのような高音は訓練のきっかけづくりとはなりますが、一定の規則性を持たせた「声」を使う方が楽ですし、器具も要りませんし、何よりも愛情を伝えやすいと思うんですよね。クリッカーは優れたツールですが、最終的には飼い主さんの「声」で関係を作って欲しいと願っています。

少し「規則性」に気をつけるだけで、犬との関わりが劇的に変化するかもしれませんよ。

プロフ

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