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犬のしつけと訓練

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人と犬の挨拶は違う

知り合いの方と出会った時、皆さんはどう挨拶していますか?

相手の目を見て笑顔で声をかけ、場合によっては握手などカラダが触れ合うこともあるのではないでしょうか。私たちが、何気なく行っている挨拶では、「目の合わせ方」や「相手への触れ方」、「お互いの距離感」などを、特に意識することなくうまく使い分けながら、コミュニケーションを上手にとっているのだと思います。

では、犬の場合はどうでしょうか?

たとえば、私の犬は、散歩中、「可愛いですね!」と声をかけながら近づいてくる人に対して不審の表情で後ずさりします。ほとんどの場合、声をかけて来る人は、犬に対して真正面から目を合わせながら近づいてきます。もちろん、悪気があるわけではなく、人と接する時と同じような態度をとっているだけだと思いますが、実は、その行動が、私の犬のみならず、多くの犬たちに「不安や恐怖」を感じさせることがあるのです。

エルベ・プピエ

残念なことに、その「不安や恐怖」から人に危害を加えるようになった犬たちもいます。

下の動画をご覧ください。

この攻撃的な秋田犬をしつけようと努めているのは、フランスはサント モール ド ペアリックという街でドッグトレーナーとして活躍している「エルベ・プピエ」氏です。YouTubeには、様々な犬種にわたるアグレッシブドッグ(aggressive dog:攻撃性の高い犬)への彼の高い対応力を見せつける動画が数多く公開されています。

当初、この秋田犬は、飼い主には攻撃をしないのですが、エルベ氏に対しては攻撃しました。この秋田犬の表情や反応などを見る限り、おそらく「不安や恐怖」に基づく攻撃でしょう。その後、彼は秋田犬に触れることができるようになります。触れられるようになった後の秋田犬が落ち着いているように見えるのがすばらしいですね。

この攻撃性の高い犬に触れるためにエルベ氏は何をしたのか? 私たちは、ポイントは「犬への目線」と「犬への触れ方」そして「距離のとり方」にある、と考えています。

目線、触れ方、そして距離

エルベ氏のトレーニングを観察すると、一貫した犬との接し方を捉えることができます。その接し方が下の4項目です。彼が計算して行っているのか、長年の経験から自然とそうなっているのか、は、残念ながらわかりません。みなさんも下の4項目に注目しながら再度動画をご覧になってみてください。

■ 犬が攻撃しても「目線」や「立ち位置」は変えない。

■ 犬が攻撃を止めた時に目線をそらし、立ち位置を変える。

■ 犬の目線が自分から離れた時に触れる。そして触れ続ける。

■ 犬とは常に近い距離を保っておく。

もちろん、長年の経験から攻撃的な犬との間合いをとれるようになったエルベ氏のマネはそうそうできるものではありませんので、攻撃的な犬と対峙する際はくれぐれもご注意くださいね。

犬のココロを観察

前述したように、犬は、人にまったく悪気がなくても、その行動に「不安や恐怖」を感じることがあります。動画に出てくる秋田犬はその「不安や恐怖」が攻撃につながるようになってしまいました。 エルベ氏はその秋田犬の“ココロ”を変えることを試み、距離や立ち位置によって犬に一定のストレスを与えながらも、目線と触れ方を臨機応変に変えています。

どんなシチュエーションでも、どんな犬とでも、対峙する時は、その表情や動きをしっかりと見極めながら、考えて対応することがとても重要です。

人同士が挨拶する時だって、それくらいは考えているはずです。文化が異なる人と対峙する時は、誰でも、ある程度のストレスは感じているでしょう。ましてや、犬にとって相手が種の異なる人間となれば、それは自然なことかなぁとも思うんですよね。

攻撃性の高い犬に攻撃されるのは、攻撃した犬だけが悪いのではなく、犬の気持ちを考えずに不躾に触れようとする人の側にも問題があることが多いのではないかと思います。それでも、私たちは、犬と人が同じ社会で豊かに暮らしていくために、こういった「アグレッシブドッグ=攻撃性の高い犬」を1頭でも減らしていく努力を続けなければならない、と考えています。

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