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変性性脊髄症

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抗炎症剤

炎症って、カラダの恒常性を保つ正常な反応なのでしょうが、熱が出て体が重くなるし、痛みは出るし、で、日常生活に支障をきたすやっかいな症状ですよね。

早く治まって欲しい……そこで登場するのが「抗炎症剤」です。抗炎症剤は、ω6由来のアラキドン酸の体内での働きをどう抑えるのか、がポイントなのですが、大きく分けて、ステロイド剤(SAIDs:セイズ)と、非ステロイド剤(NSAIDs:エヌセイズ)の2種類があります。今回はその違いを簡単に説明します。

ステロイド剤(SAIDs)

ステロイド剤は、グルココルチコイドと呼ばれる副腎皮質ホルモンの力を利用する薬で、2種類の機序があります。ひとつは、ホスホリパーゼA2という酵素を働かないようにして、アラキドン酸そのものが細胞膜から遊離するのを抑制するという機序です。アラキドン酸が遊離しないので、その結果としてアラキドン酸カスケードで産生されるプロスタグランジンなどの起炎性エイコサノイドの産生も抑制できることになります。プロスタグランジンは炎症による発熱や疼痛(痛み)を引き起こす物質です。

もうひとつは、抗炎症タンパク質を誘導するとともに炎症タンパク質の誘導を抑制することで炎症性サイトカインの産生を抑えるというものです。こちらの説明は割愛します。

非ステロイド剤(NSAIDs)

それに対して、グルココルチコイドの力を利用しないで炎症を抑えようというのが非ステロイド剤です。非ステロイド剤は、アラキドン酸が細胞膜から遊離するのを抑えるのではなく、遊離したアラキドン酸が変化するアラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ経路でプロスタグランジンが産生されるのを抑えようという薬です。とどのつまり、プロスタグランジンの産生をどこの段階で抑えるか、がステロイド剤と非ステロイド剤の違いということですね。

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副作用

ステロイド剤は効き目も強いかわりに強い「副作用」もあり、それは世間の振り子を大きく動かして、大きな心配を生みました。適正な使用法を守れば決して怖いものではなく、特定の疾病を治癒してくれる可能性があるにもかかわらず、医療の現場では、「副作用の心配」が疾病の悪化を招くという負の影響も出ていると聞きます。

同じく抗炎症効果があるとされるω3サプリメントは、ステロイド剤服用の際は止められることはないようですが、非ステロイド剤を服用している場合は止められることがあります。

ステロイド剤は副作用がある、ということで登場したのが非ステロイド剤ですが、非ステロイド剤も薬は薬、こちらもいくつかの副作用が明らかになっています。

DMと炎症

DMは炎症性疾患ではないとされていますし、ステロイド剤も効果はないとされています。ただ、最近、お互い独立した働きで関係性はないとされてきた脳と免疫が、実は密接に関係しているということが分かってきて、ALSや多発性硬化症などにおける「神経炎症」というワードが新聞や雑誌などで頻繁に取り上げられるようになってきました。

実はDMも神経炎症によるもので、ある抗炎症剤を使うと治った!……ということにはならないでしょうか?

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