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変性性脊髄症

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DM(変性性脊髄症)の犬に理学療法?

DMは、ゆっくりと進行する脊髄変性疾患ですので、必然的に、徐々に時間をかけて歩行困難に陥っていくことになります。そのDMに類似したヒトの慢性多発性硬化症では、理学療法が、患者の運動機能を改善し、主観的な幸福感をもたらすことが明らかになっています。

でも、犬でも理学療法がDMの進行を遅らせるあるいは改善することになるのでしょうか?

歩きがおぼつかなくなっていく犬に運動させることは少し抵抗があるかもしれませんが、進行を抑えられるあるいは症状が改善するのであれば、これほどうれしいことはありませんよね。

アメリカの調査研究

DMの症状が理学療法でどう変わるのか、という調査研究がアメリカで行われました。

行われた理学療法は、歩行運動、マッサージ、屈伸運動、およびウォーターセラピー(水治療法)といった運動です。5分から20分の短い散歩を1日5回、後肢と背中の筋肉のマッサージと関節の緩やかな屈伸運動を1日3回、犬の状態によっては、5分から20分のスイミングあるいは水中歩行を、週に少なくとも1回実施。 その結果、それらの適切な運動をこなした犬たちは、ほどほどにやった犬あるいはまったくやらなかった犬たちと比較して、生きられる時間が長かったという結果を得ることができたのです。さらに、運動した犬は、運動しなかった犬よりも、長期間にわたって歩き続けることができたこともわかりました。しかも、「適切に運動させた重度の神経症状がある犬」は「ほとんど運動させなかった軽度の神経症状がある犬」と比較しても長く生きられる可能性がある、ということもわかったのです。

DM犬にも運動させよう!

DMの生前の確定診断は困難です。それがDM研究の限界ともなっています。アメリカでは、歩行困難になると安楽死を選択する飼い主も多く、対象となった犬がDMだったのかどうかわからないケースも多いと聞いています。そのため、データ取得の対象となる犬を絞ることで、研究対象がDM犬集団であることの確からしさを上げました。そして、なんとか、運動がDM犬の「生きられる時間」と「歩行できる期間」を長くする可能性があることのエビデンスらしき結果を導き出すことができました。

この研究結果を評価するにはさらなる研究が必要なのかもしれませんが、適切な運動がDM犬のリハビリテーションの重要なポイントとなり、その生活の質の改善に寄与することは間違いないと思うのです。

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